文庫化された"代わりに読む"
ハヤカワ文庫NFから、伝説のZINEこと『『百年の孤独』を代わりに読む』という、
ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を代読する様子を日記に描いた作品が発売されるということで、仕事の隙間時間にに購入。
「まだ読んでない友人たちの代わりに読む」という試み、
コンセプトからして"どうかしている"作品だけど、
編集者の友田とんさん、実は京都出身というのを著者紹介で知って、
なんか妙な親近感を覚えつつ読み始めることができた。
言うまでもなく、独りで生きている者などおらず、わざわざ 「代わりに」などと言わないだけで、世界は誰かの代わりに何かをすることだらけなのだ。
まえがき より P5
とにかく、関係のないことに脱線し、それを登坂車線として整備していくということ を繰り返してきたが、それは裏返せば、まっすぐに坂を駆け上がっていくガルシア=マル ケスという存在がいればこそなせるわざであった。
オリジナルがあり、進むべき方向は決まっている。
この心強さはこれまで文章を書いた時にはまったく覚えのないことだった。
さらに、ガルシア=マルケスの小説は、どれだけ無茶な脱線をしようとも、ビクともしな い強靭さがある。
一方で、どのような無茶をしようともそれを受け入れてくれるしなやかさも兼ね備えているのだ。あとがき より P354
引用や注釈が、ちゃんと新しく出版された文庫版のページ数に準拠しているのも地味にありがたい。
今読んでいる文庫本の『百年の孤独』と章を合わせて読んで行けたらなと。