ねじまき日記

京都在住の30代ゲイ。日常のあれこれを書こうかなと。

映画『異人たち』をみたゲイの感想

アンドリュー・ヘイ監督の最新作

クィア界隈で話題になっていた、アンドリュー・ヘイ監督の『異人たち』を見てきた。

 

日本原作小説『異人たちの夏 / 山田太一』を現代風にアレンジした話で、
もちろん舞台は日本ではなくロンドン。

12歳になる前に、両親を交通事故で亡くしたアダムというゲイ男性が主人公の話。

 

アンドリュー・スコット主演ということで外しはしないだろう、
と思って見に行ったら、なかなかの名作だった。

 

しっかり感想を書く時間がないので、
印象に残った部分を軽く箇条書きで。

 

異人たちの映画感想

 

感想・レビュー

多少のネタバレあるので、気になる方はここで止めて頂ければ。

 

 

・クィアとゲイとの呼び方についての会話とか、リアル。
「周りの友人は結婚して子供産んで、してるけど君はどう?」
アンドリュー・ヘイ監督自身がゲイなので、この辺の会話劇はさすがに巧い。

・子供の頃の部屋、そして父親の洋服を着るのシーンとかすごく良い

・クラブのシーンも最高。ブラーの「Death Of a Party」とか伏線だったのね。
使われているサントラも、選曲もどれも良かった。特にあの曲。

・「昔からよくわからない子だった」と死んでいる母がいうところ

・母が息子の恋人のことも「あの・・お友達」としか言えないところ

・エイズについての言及が3回ぐらいあったのも印象的

・「昔とは違う、何もかも」的な台詞

・青年ハリーを実家に連れて、アダムが門を叩くシーンもうまい

・移動するたび電車と流れていく風景が挿入され、孤独感を高める演出も◎

・三人でご飯を食べに行くシーンは泣ける・・・

・終盤ああなるのは予想外だった

・フェードアウトで終わるあのラストシーンも◎

 

 

『WEEKEND ウィークエンド』のあの"マンション感"が好きな人は
まず見て損はしないはず。

 

 

 

あとはやっぱり音楽良すぎたよね!

Spotifyの公式プレイリストが良いのでこちらもぜひ。

All of Us Strangers - Official Music Playlist - playlist by Hollywood Records | Spotify

 

 

ペット・ショップ・ボーイズ、最近めちゃ再評価が進んでいる気がする。

新アルバム『Nonetheless』もけっこう良かったし。

www.nejimakiblog.com

 

黒澤明版『生きる』をリメイクした『生きる LIVING』よりもうまくいってると思う。

SFとか漫画とかドラマとか、
脚本にお金をかけられていたころの日本作品の海外リメイク、
まだまだいける気がするなーと思った映画体験でした。

 

ちなみに日本で映画化された方の『異人たちの夏』も、
U-Nextで見られるらしいので見てみたい。

 

この日記ブログ、ゲイの当事者の方も見てくれているかと思うけれど、
見て損はないとはっきりいえるので、GW最終日にぜひとも!

 

あ、2024年5月は、
一カ月かけて日本の原作小説である『異人たちの夏』を読む
オンライン読書会を開催しています。

 

bookstack1.substack.com

よければ登録してみてください。

 

今週のお題「名作」