アンドリュー・ヘイ監督の最新作
クィア界隈で話題になっていた、アンドリュー・ヘイ監督の『異人たち』を見てきた。
日本原作小説『異人たちの夏 / 山田太一』を現代風にアレンジした話で、
もちろん舞台は日本ではなくロンドン。
12歳になる前に、両親を交通事故で亡くしたアダムというゲイ男性が主人公の話。
アンドリュー・スコット主演ということで外しはしないだろう、
と思って見に行ったら、なかなかの名作だった。
しっかり感想を書く時間がないので、
印象に残った部分を軽く箇条書きで。
感想・レビュー
多少のネタバレあるので、気になる方はここで止めて頂ければ。
・クィアとゲイとの呼び方についての会話とか、リアル。
「周りの友人は結婚して子供産んで、してるけど君はどう?」
アンドリュー・ヘイ監督自身がゲイなので、この辺の会話劇はさすがに巧い。
・子供の頃の部屋、そして父親の洋服を着るのシーンとかすごく良い
・クラブのシーンも最高。ブラーの「Death Of a Party」とか伏線だったのね。
使われているサントラも、選曲もどれも良かった。特にあの曲。
・「昔からよくわからない子だった」と死んでいる母がいうところ
・母が息子の恋人のことも「あの・・お友達」としか言えないところ
・エイズについての言及が3回ぐらいあったのも印象的
・「昔とは違う、何もかも」的な台詞
・青年ハリーを実家に連れて、アダムが門を叩くシーンもうまい
・移動するたび電車と流れていく風景が挿入され、孤独感を高める演出も◎
・三人でご飯を食べに行くシーンは泣ける・・・
・終盤ああなるのは予想外だった
・フェードアウトで終わるあのラストシーンも◎
『WEEKEND ウィークエンド』のあの"マンション感"が好きな人は
まず見て損はしないはず。
あとはやっぱり音楽良すぎたよね!
Spotifyの公式プレイリストが良いのでこちらもぜひ。
All of Us Strangers - Official Music Playlist - playlist by Hollywood Records | Spotify
ペット・ショップ・ボーイズ、最近めちゃ再評価が進んでいる気がする。
新アルバム『Nonetheless』もけっこう良かったし。
黒澤明版『生きる』をリメイクした『生きる LIVING』よりもうまくいってると思う。
SFとか漫画とかドラマとか、
脚本にお金をかけられていたころの日本作品の海外リメイク、
まだまだいける気がするなーと思った映画体験でした。
ちなみに日本で映画化された方の『異人たちの夏』も、
U-Nextで見られるらしいので見てみたい。
この日記ブログ、ゲイの当事者の方も見てくれているかと思うけれど、
見て損はないとはっきりいえるので、GW最終日にぜひとも!
あ、2024年5月は、
一カ月かけて日本の原作小説である『異人たちの夏』を読む
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よければ登録してみてください。
今週のお題「名作」