ねじまき日記

京都在住の30代ゲイ。日常のあれこれを書こうかなと。

『IN/SECTS』という雑誌の日記特集の話

インセクツ

ブックオフで『IN/SECTS』という文芸誌の日記特集号を数百円で見つけた。

その冒頭文が特に印象に残ったので紹介。

 

雑誌insects日記回

 

みんな、じっさいどんな日々を過ごしている?

じっさい、どんな考えを頭の中に巡らせている?

それら"じっさい”のひとつひとつは、日記という今こそオールドスクール な、アナログのスタイルでこそ綴られるものじゃないだろうか。

そう、今号は「日記」の特集。わたしたち編集部とつながりのある、さまざ まな場所に住み、さまざま職業に就くひとたちの、日々の小さな小さな記録に 注目する試みです。

それら"じっさい"のひとつひとつ、という言葉が良い。

 

今号で綴られた日記を読んでいると、ルーティンワークの毎日だって1日と して同じ日がないのはもちろん、それどころか愛すべき珍道中の連続で、なんてメイクドラマな日々なんだ、と思う。つまり日記を書く、ということは日常生活の中に冒険を発見する、ということなのだと思う。

それに、もうひとつ思うのは、そのひとらしさ、というものは日々の暮らし の癖の積み重ねで、知らず知らずにできあがってしまうものだ、ということ。 いわばケモノ道みたいなものかも。

…この特集回では、料理家やシンガーソングライター、スポーツ選手、漫画家、落語家などの日記が読めるので、
「あーそんなこと考えてるのか」と
他人の視点を借りられるような感覚になって楽しい本だった。

 

人の日記を読むのが好きなので、ブログをずつとやってきているようなところもあるし、こういうZINE的なものがもっと増えてほしいなと。

 

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『コインロッカー・ベイビーズ / 村上龍』の読書会を一カ月かけて行います。

ニュースレターで読書会

月に一回、みんなで同じ本を読む試み「BookStack」。
ニュースレターで、進捗を書きながら読書していくというイメージ。

詳しくはこちらより。

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2024年2月の課題本は、
村上龍の『コインロッカー・ベイビーズです。

 

1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。母親を探して九州の孤島から消えたハシを追い、東京へとやって来たキクは、鰐のガリバーと暮らすアネモネに出会う。キクは小笠原の深海に眠るダチュラの力で街を破壊し、絶対の解放を希求する。毒薬のようで清々(すがすが)しい衝撃の現代文学の傑作が新装版に!
(Amazonあらすじより)

 

僕自身は一度、高校の頃読んだことがあるんですが、
とあるきっかけで再読しようかなと。

 

強烈な印象はいまだに残るぐらい濃ゆい小説なので、
凡百な本に飽きたという方におすすめ。

 

(※ちなみに1月はポール・オースターの『ガラスの街』でした。)

 

こちらから登録できるのでお気軽にどうぞ。

 

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2023年に聴いたオーディオブックでよかった本5選

audiobook.jp公式アドベントカレンダー

2023年もそろそろ終わり。
・・・ということで恒例の振り返り記事、
今回は耳で聴く「オーディオブック」について書こうかなと。

あのaudiobook.jpさんの公式アドベントカレンダーだそうです。
(ということに書く段階で気が付きました・・・。)

adventar.org

 

オーディオブックという括りなので、
audiobook.jp、Scribd、 Audibleと
プラットフォームは問わずな感じで読んで頂けると幸いです。
(※audiobook.jpにはない作品もあります)

 

『サバイバー』 / チャック・パラニューク

アメリカでカルト的人気を集める作家、チャック・パラニューク。

相変わらずとんでもない設定の一冊で。
年初に本で読んでから、
もう一度オーディオブックで聞いたんだけれどそれでも楽しめるぐらい。

声で聴く小説は、日常からぶっ飛んだような小説の方が向いているのかも?

宗教二世問題や9.11の影響もあり、
映画化はされないという話なので、
ぜひとも音声でイメージを膨らませて聴くことをおすすめします。

 

※audiobook.jpでも聞けます。

audiobook.jp

 

『カンガルー日和』 / 村上春樹

学生以来、10年振りぐらいに聴いた村上春樹の短篇集。

まったく覚えてなかったけれど「タクシーに乗った吸血鬼」とか、
あとはやっぱり「図書館奇譚」が良かった。

多部未華子さんのナレーターはうーん、という感じで、
この人じゃないといけない、という必然性があんまり感じられなかったような。

全体的に絶妙なユーモアで読ませる(聴かせる)の文章はやっぱりすごい。

 

 

『ハンチバック』/ 市川 沙央

芥川賞受賞作。

紙の本を自由に読める健常者の特権性を訴えたり、
マイノリティーのあれこれを切実に読ませる一冊。
イメージが浮かぶ文章なので、これこそ耳で聞くべきなのかなと。

 

 

ほかに、audiobook.jpさんにある作品を載せておくと、
この2つも良かったなと。

 

audiobook.jp

『鴨川ランナー』のグレゴリー・ケズナジャットさんによる小説。
言語の狭間での揺らぎを描いた作品で、留学生とかにも聞いてほしいなと。

 

 

audiobook.jp

いわゆる"自己啓発系"でいくとこういうのはわりかし好みだったり。
AIに対抗するには、五感を磨いていくといいのかも、と思ったので読んでみた。

絵画やアート好きな方にはおすすめです。

 

audiobook.jpさんのライブラリにある中では、

『暇と退屈の倫理学』とか
『感情」は最強の武器である』
『正欲』

あたりが気になっているので、
来年はその辺りから聞いていこうかなと。

 

オーディオブックの思ひ出(2023年) Advent Calendar 2023 - Adventar

 

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文学フリマ東京37でおすすめの本を紹介してみる

はてなブログの日記から短編集まで

2023年11月11日に行われる「文学フリマ東京37」。

入場料が有料になるというのも話題になりましたが、
ついに明日開催されます。

 

・・・といっても、僕がイベントに参加するわけではないのですが、
何人か知り合いがブースを出すみたいなので応援の意味も込めてブログに書いておこうかなと。

 

まずは、はてなブログの文学フリマ本より。

blog.hatenablog.com

どうやら僕の日記の文章を載せていただけたみたいなので、ありがたいなと。

改めて記事を読むと、もうちょっとマシな文章を書けばよかったなと思わなくもないけど、まあ逆にそれがいいのかもしれない。

ちなみにその日記はこちらより。

nejimakinikki.hatenablog.com

きっと他のブロガーさんの日記はもっと素敵なはずなので、
なくなる前にぜひはてなブースに駆け込んでみてください。
(ちなみにたぶん無料です)

 

 

次に元はてなブロガーであるTANさんらが出店されている(TT) press

素敵な写真とインタビューを読めます。装丁も凝っててCoolなの。

TT (press) [文学フリマ東京37・評論・研究|ジェンダー・LGBTQ] - 文学フリマWebカタログ+エントリー

ttpress.base.shop

 

 

次は、僕が何度かゲスト出演させて頂いているポッドキャスト番組『文学ラジオ空飛び猫たち』さんの出店。

はてなブロガーである藤ふくろうさんとの対談もあるそうで。

僕も『海外文学入門!』にポール・オースターの短い紹介文を書かせて頂きました。

c.bunfree.net

 

 

他にも、
僕が読んでいるはてなブログの方の文フリ出店記事もいくつか載せておきます。

hanfpen.hatenablog.com

 

muimix.hatenablog.com

 

erikoshinbun.hatenablog.com

 

 

京都の文学フリマしか行ったことがないので、
東京や大阪のも機会があれば参加してみたいな~と。

 

明日イベントに出られる方、
色々大変だと思いますが体調にはお気を付けて!!

 

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サリンジャーの『ナインストーリーズ』と新訳『ドラキュラ』の読書会を行います。

BookStackで本を読む

どうも、ねじまきです。

10月に無事ナオミイシグロの『逃げ道』の読書会を終えましたが、

2023年11月の読書会は

・J.D.サリンジャーの『ナインストーリーズ』
・新訳『ドラキュラ』

を平行して行います。

 

『ドラキュラ』に関しては、
以前書いたとおり、1日5ページで半年かけて読むという試み。

 

よければ参加してみてください!

 

詳細はこちらより。

open.substack.com

 

 

光文社古典新訳文庫『ドラキュラ』を毎日5ページずつ読む読書会をはじめます - 世界のねじを巻くブログ

 

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今週のお題「最近読んでるもの」

オンライン読書会を「BookStack」にてはじめました。

ニュースレターでブッククラブ

 

月に一冊、みんなで同じ本を読む読書会をはじめました。

10月1日の今日からナオミイシグロの『逃げ道』を読んでいきます。

 

詳細はこちらより。

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いつから・どこからでも参加可能なので、
読書好きの方はぜひ参加してみてください!

『街とその不確かな壁/村上春樹』の読書メモ (2023.4.14)

6章から15章までの感想

村上春樹の新作『街とその不確かな壁』の
ほんとにざっくり読書メモ 兼 軽い感想を。
(※ネタバレありなのでご注意を)

 

・自分も主人公と同じく、僕も滅多に夢をみないのでちょっと共感が持てる。

 

・学生時代の場面は、短編小説の「蛍」や「石のまくらに」に似た雰囲気がする

短歌を送りあうところとか。

 

・壁は誰が作ったのでもなく「もともとここにあったのさ」とのこと。
「壁」は誰かが作ったものだと『世界の終り~』のときから思っていたので。

 

・主人公は恋人にあうために"世界の終り"的な街までやってきた

 

・高校生同士が万年筆で(インクの名前からおそらくペリカンの万年筆)
文通をするのはなんか現実感ないな、と思ったり笑
(この時代は普通なのかもだけど)

 

・「世界の終り~」でも『街とその不確かな壁』でも
主人公があっさりと影を捨ててしまうのはなんだかな~

 

・「街」の官舎地区に住んでいたのは官吏や将校だったらしい。
ちょっと戦争のテーマな匂いがしてきた。
「世界の終り~」ではそんな設定なかったよね?

 

・「夢読み」を何のためにしているのかわからない感じも、過去作と同じ。

 

・"一角獣"ではなく「単角獣」とワードが変わっているのは、
なにかしら意図があるのか、語句が時代とともにアップデートされたのか。

 

・「"勃〇"」好きだなぁ、ハルキさん。

 

村上春樹さん新作の舞台は福島県南会津? 「街とその不確かな壁」に描写
舞台は福島県かも、という考察も。

村上春樹「残りの人生、いくつ長編を書けるだろう」世界的小説家が70歳を超えて変わったこと――『街とその不確かな壁』ロング・インタビュー

 

・地図を歩きながらつくるのも同じ流れ。

 

・壁は面白がって僕の試みを見ているけど、面白がっているぐらい強大な存在。

 

・幽霊のところは『雨月物語』っぽさのある日本的なホラー感あり。

 

・少しずつ「街」に同化していってしまう主人公。

 

交互に世界や時代が変わるいつもの方式だけれど、
サブタイトルや章の名前が一切なく、
数字だけの区切りなのがちょっと寂しい気もする。


けれど「世界の終り」と違って、初めから同じ人物であると書かれているので、
どちらの世界にいるかは書かなくても良い気がしてきた。

 

今回はこんな感じで。じっくり読んでいきたい。

 

AI時代に読む村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』 - 世界のねじを巻くブログ

『街とその不確かな壁/村上春樹』の読書メモ (2023.4.13) - ねじまき日記

 

 

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